丘の上の小さな木のいえ「田上の家B」
丘の上の小さな木のいえ
設計/ヤマシタマコト 設計補佐/小林紘大 監督/波潟靖
- コンセプト
- 敷地は田上町、国道から少し丘陵を上ったところにある住宅地である。
西入りの80坪ほどの敷地で、小さな家族のための最小限の25坪の小さな家を計画する。
出来る限り余計なものを削ぎ落としてコンパクトな家としつつ、豊かに暮らせること、充分な収納を用意すること、将来的な増築も予想して計画することが求められた。
- 外観
- ファサードとなる西面と庭に面する南面は杉板とし、見えない東面・北面はGL鋼板としてコストバランスを図っている。西入りの敷地のため、正面の窓は最小限に抑えている。
外部収納と玄関ポーチを一体として、玄関ドアが通りから見えにくいようにしている。
屋根は適切に張り出し、外壁を守り、日射を遮蔽する。
- 内部空間
- 一坪の玄関土間を仕切る建具をあけるとすぐに主室である。主室は居間、食堂、台所がひとつの空間になっており、合わせると20帖ほどの広さがある。南西の庭に面して、3坪分の吹き抜けを設けている。コーナー窓と相まって、小さい家だが抜けがあり広く感じる。ダイニング周りに収納カウンターを設け、階段を丸見えにさせていない。書斎とキッチンを一体に設計、既製品と造作を組み合わせてコストダウンしている。
吹き抜けで上下窓を一体感を持たせて処理。1階は低い腰壁を設け、家具レイアウトを自由にしている。
二階は洗面、浴室、納戸とふたつの個室である。それぞれの個室は吹抜けに面していて、障子戸で仕切られている。
- 規模・構造
- 敷地面積 約272㎡
延床面積 85.11㎡(25.75坪)
木造在来工法二階建て
- ひとこと
- 25坪ほどの小さな住宅だが、出来上がってみると、家って、これで良いのだな、と思った。
もちろん家族構成にもよるが、考え方次第で、小さな家でも豊かなくらしはできると確信した。