窓に溢れる緑とスカイデッキ「日和山の家」
窓に溢れる緑とスカイデッキ
設計/maヤマシタマコト
監督/波潟靖
- コンセプト
- 新潟市の海岸沿いにある防砂林に面する住宅街である。敷地は北西に接道する角地で、道路を挟んで目の前には鬱蒼とした防砂林が広がる。
海沿いの敷地にあって、充分な耐久性があること、二台の車をまもるためのガレージ、屋根に上がることが出来るスカイデッキが求められた。
- 外観
- 外壁には、塩害を考慮して杉板の縦張り押縁を選択し、建物全体をこれでくるんだ。
外壁全面に100mmの付加断熱を施したため、壁厚が270mmを超えるが、サッシを内付けにすることで、彫の深い窓廻りとなり、表情がついた。
2台分のガレージは建築と一体としてつくり、統一感がある。
建物を「くの字」状のプランとすることで、前面道路からは見えないプライベートな庭をつくった。
- 内部空間
- 前庭を通って入る玄関にはコーナー窓があり、防砂林の緑を取り込んでいる。
防風林を臨む大きな窓を備えたダイニングが暮らしの中心になる。テーブルに付くと、適度な高さに設けられた横長の窓からは画面一杯に緑が切り取られ、行き交う自動車や通行人は排される。その反対側には木製サッシの大開口があり、南北に空間が抜けて気持ち良い。大開口は3.5m幅の片引き二の枚ガラス。ガラスはスーパーパッシブガラスで、網戸は袖壁に引き込まれて、普段は室内からは見えないように工夫した。
キッチンはオリジナルの製作キッチンで、他の家具や建具と面材を合わせることで統一を図っている。ドイツ製の大型食器洗い機を搭載しており、家事労働の削減に一助となる。
和室の屋根の上には、スカイデッキ。耐久性を得るために、セランガンバツという硬い木を選んでいる。
- 空調計画
- 暖房は主室に設置された床下エアコンで行う。
また冷房は二階ホールの上部に設置したエアコンにより、ホール、吹抜けを介して二階の各個室、下階を冷やす計画としている。
- 外構計画
- 海が近いために、塩害に比較的強い樹種を選んで植えている。
通り沿いには食卓の窓が面しているため、目隠しになるよう、ナツハゼとヤブツバキを植えた。
アプローチは自然石で作り、シンボルツリーとしてのヤマボウシを植えた。また表札、インターホン、郵便受けを兼ねるパネルを120角のヒバ材を積み上げて作成した。
南側の主庭は大和塀で囲い、シラカシやコナラ、紅葉などの落葉樹を中心に構成した。
- 規模・構造
- 延床面積 174.71㎡(うち車庫部分 24.35㎡)
木造在来工法 二階建て